1月20日(土)に第二回「山崎ブッククラブ」開催しました。

第二回の課題本はデヴィッド・フォスター・ウォレスの卒業式でのスピーチである「これは水です」でした。

前回は初めての読書会だったので、慣れるために司会進行に徹しておりましたが、今回はがっつり参加してみました。
途中個人的に「お悩み相談会」みたいになってましたが、なかなか身にしみる会だったと思います。

例によって、どんな話が出たのか箇条書きです。
参加しつつだったので写真撮り忘れ、さらに前回より記憶があやふやな所はご容赦ください。

・魚の例えはキリスト教に関連していると思われる。

・スピーチの録音も聞いてみたが、けっこう「ウケてた」。笑い声がある。

・かなり淡々と話しているようにも思う。本では記載されてないが、アドリブみたいな箇所もありそうだった。

・「暇と退屈の倫理学」という本がある、その本を思い出した。退屈の中で生きていくことを学ばなければならない。

・この本は内容が痛快である。ぐうの音も出ないほど正しく思える。この作者は頭が良すぎる。

・後付けになるけど、このスピーチは彼の遺書としても読める。(※作者は自殺しています。)

・そもそもこの「水」というのは何の事だろう、これはいわゆる世間であっているだろうか。「私」以外の環境ということだろうか。

・表紙にスティーブ・ジョブズの卒業スピーチ(ステイフーリッシュ・ステイハングリー)よりも聞かれているとあるが、
 晩年のジョブズは、この本に書かれていることと同じような発言をしている。死が近いと自分が追いかけてきたお金や名声のようなものは重要ではないと考えを改めている。

・スーパーマーケットのレジの列に並ぶ辛さの話があるが、わたしスーパー大好き、パッケージ見るのが好き。列はむろん嫌い。

・どのような人も何かを信仰しているとある、私の場合は「知性」だと思う。そして自分の「夢」が叶わなかったときにどう生きたらいいか。この本はその助けになるのだろう。わかってはいるが苦しさは消えない。難しい。

・今まで得た知恵や教養が私を助けていると思う。おかげで相手を許すことができる。この本に書かれていることは本当に納得できる。

・みんなこういう考えで生きたらいいのに、ベルリンの壁が壊れた時(みんな生まれてます?)世界がもっと良くなると思ってた。「EU」もできて感動した。でもどんどん悪くなっていると思う。ウクライナとかガザのことすら止められない。今やっている政治家のお金への執着の問題もあるし、この本をよんだほうがいい。

・「沈黙の春」のことも思い出す。人類かなりやばくないか。

・モンゴルの奥地で暮らす、記録映画『四季・遊牧』と言う映画や、宮沢賢治の「雨にもマケズ」も思い出す。
 お金や有名になることを追う、競争の世の中でも一定数、同じような考えを持つ人が現れる。ジョンレノン の「イマジン」にも通じているように思う。

・自分は自由だと思っていたが、やはりお釈迦様の手の上レベルだったと思う。

・80歳を超えたらこのような生き方ができると思う。でも若い人がこれを読んで受け入れられるかは分からない。無理なのでは。

・僕はこの本に書かれていることは素晴らしいと思うが、このように生きることが素直にとても難しい。

・出来ることは少ないが、この本を紹介すると言うことも、ひとつの世の中をよくする活動ではないかと思う。ものすごくささやかですが。

・日本の大学は一般教養を縮小するという、この本に書かれていることとは逆の事をやっている。京大がちょっと変になっているが、アメリカはまだましなのかもしれない。こういう人がスピーチをしてくれているのだから望みがある。日本であげるなら東大の上野さんのは良かった。

などなどでした。
後で思い出すこともありそうですがこのような内容が出ました。

読んでいて元気がもりもり出る本ではないですが(何だったらため息もでる)、生きることを考える良書ではないかと思います。

さて、次回「山崎ブッククラブ」の告知もしておきます。第三回の開催は2024年2月22日(木)を予定しています。
興味のある方はぜひご参加ください。次回の課題本は「インディアナ・インディアナ」です。