先日、家族みんなで風邪をひきました。こどもからは始まり、順調にバトンを受け取る。よくあることです。私は最近は編み物教室の方に集中させてもらっていて、店番はあまりしていないのですが、家族でお店をしている=風邪をひいたら(比較的)元気な人がなんでもやる、ということで、久しぶりに店番をしました。

店番、好きです。お客としての私はお店の方とお話しするのが好きなのですが、うちのお店に来てくださるお客さまはどうだろう。話しかけようかな、いや、静かに本や糸を眺めたいかな、ともじもじしている時間も楽しい。

先日来てくださったお客さま。軽やかにお店に入って来られ、本棚をじっくりと、本当にじっくりと見てくださっていました(この時点で大分嬉しい)。じっくり見られていたのでお声がけはせず、レジで作業をしていた私のところに、一冊の本を持って来られました。ハン・ガンさんの『すべての、白いものたち』。「韓国文学はよく読まれるのですか?」とお聞きすると、「初めてで」と。思わず、「大正解です」と言ってしまった。

本に正解・不正解なんてないこと、もちろん分かっていますが、私も初めて読んだ韓国文学がこの本で、そこから韓国文学を読むようになったのでつい。私がこの本を購入した時も、レジの方に「絶対に楽しんでもらえると思う」と声をかけていただいたのを思い出す。
(私が購入したのは神戸のViVO,VAさん)

この本をお客さまが気に入られるかどうかは分からない。でも、この本の中に存在する超絶に美しい世界を、ひとりの方に届けることができたという事実。この本がお店から旅立つのを何度も見ていますが、その度に「やりました、私」という達成感に包まれます(実際はお客さまご自身が選ばれたのですが!)。読みながらよい時間を過ごされていたらいいな。