説明
出版社 : 白水社
発売日 : 2023/8/6
言語 : 日本語
単行本 : 256ページ
ISBN-10 : 4560090874
ISBN-13 : 978-4560090879
京都大山崎の本と編み物毛糸店
¥2,640
台湾・中華圏の文学賞を制覇した感動の大作!
1945年9月、日本人も犠牲となった「三叉山事件」をモチーフに、ブヌン族の少年ハルムトの成長を描いた感動の大作。17年かけて執筆し、台湾・中華圏の
文学賞を制覇した注目作、ついに日本上陸!
下巻は「三叉山事件」が実際に起こってからの出来事が中心に描かれる。
第二次世界大戦が終結して間もない1945年9月10日、米軍の輸送機が捕虜を乗せて沖縄からフィリピンのマニラへ向かっていた。台湾上空を飛行中、台風に襲われ、台東に位置する三叉山の付近に墜落。この霧鹿部落出身で山に詳しいハルムトは、駐在所の城戸所長から捜索を頼まれるが、行く気持ちになれずにいた。悩んだ末、ハルムトは捜索隊に加わり、山の中に入っていく。そして負傷したアメリカ兵のトーマスを偶然発見するが……。
ブヌン族の歴史を背負いながら、日本統治下の多民族多言語の世界で青春時代を過ごしたハルムトは、戦争による心の傷を抱えながら、多くの人たちの影響を受けて成長していく。終戦前後の台湾社会を原住民の視点から描いた作品の中で、これほど日本人との関わりを細やかに書き込んだものは他にない。三叉山事件で犠牲になった城戸八十八は「城戸所長」として本書に実名で登場している。
台湾の美しい自然を背景に、その土地で生きてきた人々の歴史と記憶を神話的な物語としてハルムトに語る祖父の言葉が全篇に散りばめられ、ハルムトを導いていく。祖父の物語からはブヌン族の心が、野球のコーチのサウマの物語からはアミ族の心が、料理屋の雄日さんや駐在所の城戸所長の物語からは日本人の心が、ハルムトの心の中に注ぎ込まれていく。
物語作家としての真骨頂が発揮された、後世に残る名作。
在庫1個
出版社 : 白水社
発売日 : 2023/8/6
言語 : 日本語
単行本 : 256ページ
ISBN-10 : 4560090874
ISBN-13 : 978-4560090879
レビュー
レビューはまだありません。