写字室の旅/闇の中の男 (新潮文庫) / ポール・オースター (著) 柴田 元幸 (翻訳) (新潮社)

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闇の中から現れる物語が伝える真実
デビューから40年。円熟の極みを示す傑作中編を合本し、新しい物語が起動する。

「写字室の旅」
奇妙な老人「ミスター・ブランク」が、奇妙な部屋にいる。その部屋にあるものには、表面に白いテープが貼ってあり、ひとつだけ単語が書かれている。テーブルには「テーブル」という言葉。ランプには「ランプ」。老人は何者なのか、何をしているのか……。かつてオースター作品に登場した人物が次々に現れる、不思議な自伝的作品。

「闇の中の男」
ある男が目を覚ますと、そこは9・11が起きなかった21世紀のアメリカ。代わりにアメリカ本土では内戦が起きている。闇の中に現れる物語が伝える真実。祖父と孫娘の間で語られる家族の秘密。9・11を思いがけない角度から照らし出し、全米各紙でオースターのベスト・ブック、年間のベスト・ブックと絶賛された感動的長編。

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商品コード: 978-4102451182 カテゴリー: , , , ,

説明

訳者あとがきより
どちらも、「物語」ということが核になっていて、『写字室の旅』では、部屋に入れ替わり入ってくる人間たちはかつてその老人が物語の登場人物として世界に送り出した人物である(要するに、老人が作者で、入ってくる人たちは老人が創造した人物)らしいのに対して、『闇の中の男』において不眠に苛まれる老人が夜ごと考える物語は、どこか別の世界で現実に起きている出来事にほかならない。そのあたりも対照的であるような、しかし内的世界と外的世界の関係が錯綜しているという意味では共通しているような、単純には決めがたいつながりがある。が、今回こうして一巻本にまとめたゲラを通読してみて、とにかくこの二作が「合体」して新しい第三の作品が生まれたことで、1+1以上の豊かさが生じている、ということは強く実感した。ぜひこの版で、二〇〇〇年代後半のオースター文学の主たる成果に触れていただければと思う。

出版社 ‏ : ‎ 新潮社
発売日 ‏ : ‎ 2022/8/29
言語 ‏ : ‎ 日本語
文庫 ‏ : ‎ 448ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4102451188
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4102451182


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