第三回「山崎ブッククラブ」(読書会)開催しました。

2024年2月22日(木)に第三回「山崎ブッククラブ」開催しました。

第三回の課題本はレアード・ハントの小説「インディアナ・インディアナ」でした。

がっつり小説だったので「ここまでは読んだ報告会」になるかもと思いつつ、そんな事もなく参加者の方みなさん読破されていた模様です。

僕を含めて四名の参加者でした。結構盛り上がって面白かった会でした(脱線ぶりがなかなか面白かった)

ノー写真、ノーメモ状態だったので、記録は記憶に頼るのみです。

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・この小説は何が起こっているかわかりにくい、それゆえに理解して二回目に読むと全く違う小説になる。

・特に第一章は見事なぐらいの導入、一回目は分からないけれど、二回目読むと、後ろに起こっている事の全てが説明されている。ただ気が付かないだけ。
 
・時間の操り方がほれぼれする、何年に何が起こった、とかそういう作りではない、一つの文章の中で時間が数十年動く。

・ただの先祖たちの名前の羅列がここまで効果的なのは初めて見た。

・そもそも主役のノアは女の子で、マックスは猫だと思っていた。

・もうノアは死んでいて、まるで天国の話かと錯覚する。

・この本を読んで思い出したのは、アンドリューワイエスの絵画「クリスティーナの世界」とタルコフスキーの「サクリファイス」のイメージ。
 荒涼とした場所と、木々と、障害を持った人たちのこと。(注釈←分かる!両方共大好き(記事書いている人より))

・突如ぽんと出てくる色がすごく鮮やかに感じる、日本のおもちゃの花が水辺に浮かんで咲くところとか。

・作者の勇気がすごい、こんなにピュアな主役を出し、良い人間しか出てこない。一番印象的だったのは最後のシャンクスの登場、章としては
 正直いらないかもしれないと思うけれど、ノアの優しさが最もよく出ているように思う。ノアが出来事をどう感じているのかが伝わる。

・ノアの能力について、「アストリッドとラファエル」という自閉症の人のドラマを熱心にみているが、ノアの能力のような事が実際にある。
 一か月ぐらいかかる仕事を本当に一晩で仕上げてきたりする。
 超能力とまではいかずとも、ボブディランやジョンレノンなんかはたぶんそうだろう。我々は彼らのおかげで随分楽しませてもらっている。

・この小説は父親と子が主軸にある。その点はアメリカの小説の伝統を感じる。

・この小説はラブストーリーだと思う。とてもピュア。

・優性保護法という日本の法律の事を、この小説を読んで知った。信じられないほど愚かな法律だが1990年代まで有効だったことに驚愕した。
 
・翻訳家の力量もあるのだろうが、素晴らしい言い回しが小説内にいくつもあり、感服する「五十パーセントの物語」とか。また句読点が全くない
 文章の箇所もあるし、これはすごいなと思える。

・声に出して読み上げたい箇所がいくつもある。三冊しか翻訳されていないのが惜しい。(※優しい鬼、ネバーホームという作品が翻訳済)

・実際に読み上げてみようという事になる。(朗読会でもいいかも)

などなどでした。他にも色々と話が出ていましたが、記録してないので紹介できないのが残念。
しっかり話が出来てとても楽しかったです。ご参加いただきありがとうございました。

三回目ともなると、ちょっと慣れてきたなと思える会でした。
小説を集中して読むと、確かに良く読めます。深く読める度合いが違うというか。
いや、なんか本当に面白いので、みなさまも好きな事言いに来てくれると良いですよ。

次回は3月22日(金)に予定しております。

課題本は「どれほど似ているか」キム・ボヨン著です。韓国SFです。